『小野寺の弟・小野寺の姉』インタビュー

向井 理 / 小野寺 進

西田征史監督は今回初監督になるのですが、いかがですか。

西田監督とは、映画『ガチ☆ボーイ』(西田さんの映画脚本デビュー作であり出演作でもある)で出会い、撮影中には2人で同部屋だったこともあります。今回初監督作に出演させて頂いたのですが、初監督とはとても思えないですね。もともと頭のいい方なのですが、すごく堂々としていらっしゃって、やりやすいですし安心ですね。『小野寺の弟・小野寺の姉』は監督自身が原作と脚本を書かれているので、行間のおもしろさをどう演出して頂だけるんだろうという楽しみもありました。

片桐はいりさんとは、映画では初共演となりますね。姉弟を演じられていかがですか。

片桐さん演じる“より子”がボケで、僕の演じる“進”がツッコミ役で、アドリブ含めた掛け合いなんかも、本当にすごく楽しいです。より子に対して、口では色々と言いますけど、最終的に進はノーとは言わず全部受け入れているので、二人の信頼関係というのもおもしろいかなと思います。普段から、はいりさんとはしゃべっている時もそうでない時も、とにかく自然にいられますね。ふつうに、姉ちゃんといる感じなんです。いいコンビネーションなのかなって思います。はいりさんのおかげで、監督が原作で描かれていた、進の真面目だけどずぼらなキャラクターを自然に演じられています。

小野寺姉弟についてはいかがですか。

両親を早くに亡くして以降、家も空気も変わらずに生きてきたふたり。お互いのことを思いすぎて気を遣いすぎてしまう、そんな不器用さが魅力だと思います。

片桐 はいり / 小野寺 より子

西田征史監督は今回初監督になるのですが、いかがですか。

始めから堂々とされていて、気負いなく軽やかにやられている感じがします。私が演じる“より子”というキャラクターに対しては、とても細かく演出してくださいます。
もうそのまま監督にお任せしますっていう気持ちでいます。基本的にワンシーンワンカット、一回で撮られることが多くて、お芝居に近い感じがしてやりやすいですね。監督が書かれた脚本もおもしろかったので、安心して演じています。

向井理さんとは、映画では初共演となりますね。姉弟を演じられていかがですか。

より子は“カツオに対するサザエ”のようなお姉さん像なんです(笑)。美味しい料理をちゃんと作れる“一万人の姉”のような感じですね。姉がボケ、弟がツッコミ、でも姉がひっぱっている。そんな雰囲気は、普段の向井さんとの距離感とも近い感じがします。なんだか本当の弟みたいな気持ちになっていて、お会いしないときは、ちゃんとゴハン食べてるかなって気持ちになります(笑)。一緒にいて安心できる存在です。

小野寺姉弟についてはいかがですか。

お互いが、コンビの片割れのような印象です。より子は、きっちりしていて一生懸命なのですが、弟のことを思いすぎていて、せつない感じもありますね。より子にとって弟は生きがいであるほどの大切な存在ですが、それは親子や夫婦、恋人の間にもある感情なので、たくさんの人に共感して頂けると思います。

監督・脚本・原作:西田 征史

『小野寺の弟・小野寺の姉』は小説を書かれて、映画の脚本、そして監督と、初監督に行きつくまでの思いはどんなものでしたか。

これまでにも監督のお話は何度かいただいていたんですが、やらせて頂くなら自分のオリジナルがいいなと思っていたので、今回この作品ならやりたいことができるかなと思い、決意いたしました。 この数年、脚本家として多いときでは5本、6本と同時に本を進めないといけない状況がありましたので、ひとつのキャラクターだけをずっと愛し続ける時間をそんなに持てなかったんですね。でも今、この撮影している期間は、長い時間をかけて、より子と進だけを考えることができて、すごく幸せな気持ちで過ごすことが出来ています。実際に監督をしてみて、毎日とても楽しく、変な話ですけど、生きていて良かったです。

姉と弟をテーマに小説、舞台、映画と繋がってきていますが、どうして姉と弟の物語にしようと思われたのですか。

実は、もともとの発想のきっかけは、「引きこもり」なんです。現在、高校生が引きこもり、それを親が面倒を見ている家があるとすると、それが30年経つと、50歳の子供と70代の親ってことになるわけです。そうなった時に「引きこもり」で居られるのか……。そのように、今現在は良くても、30年経つと自分自身がそのままだったり、同じ関係のまま、では許されなくなるっていうことがあるなと考えた時に、こういう関係って他にないかなと考えたんです。適齢期を過ぎたふたりの姉弟が一緒に住んでいるという、ちょっと特殊な関係を描いてみたいと思ったのが始まりです。

姉弟を演じる向井理さん、片桐はいりさんのおふたりはどのあたりから念頭にあったのですか。

小説を書く段になって自然と頭のなかに浮かんできたのが、おふたりだったんです。脚本と演出を担当した『ママさんバレーでつかまえて』というTVドラマでも共演して頂いたのですが、その時からいつかおふたりにがっつり組んで頂けたらと思っていました。
おふたりの素の面も見ていたので、もっとこういうところ見せられたらおもしろいなということも考えていました。なるべくふたりのリラックスした、素っぽい関係が出ればいいなと。普段からふたりは信頼し合って仲がいいですからね。あの空気感がどう出せるかなというのは、撮影現場でいつも意識していることです。 役者としてのおふたりは、やっぱり、すごく魅力的ですね。あくまで一方的な意見ですけど、僕自身と感覚が近いと感じるんです。好きなものが割と似ているのかなと。ですから、やりたいことをすごく汲み取って表現して下さっていると感じています。

どんな作品になるといいなと思われてますか。

そうですねぇ、まずこの姉弟を好きになってもらうことが一番なんですが、観た後に思わず連絡をとっていなかった身内に「元気?」と電話したくなるような、そんな作品になればいいなと思っています。